古賀歯科医院は1947年(昭和22年)、当時全くの無医村であった世田谷区千歳船橋に先代院長、古賀正夫が開設しました。その後、開業50周年を機に歯科医療のあるべき姿と最新歯科臨床に取り組むため、現院長古賀正晴とともに、まったく新しい診療施設の建設を計画、現在の診療室が完成しています。かつては地域密着型の開業でしたが現在ではほとんどの患者さんが何らかの交通機関をご利用になり通院されておられます。
新診療室建設に際し、当時ではめずらしかった欧米型完全個室の治療室を取り入れ、感染予防、衛生管理などの充実を図り、患者さんのプライバシーの確保と同時に、清潔で温かさの感じられる診療空間の実現をめざしました。
近年、インプラント手術や顎骨移植手術のようなこれまでの一般的な歯科治療では考えられない高度な外科治療が、必須の処置として歯科に導入されています。古賀歯科医院では独立した手術室と消毒室を設備し、普段は患者さんの目に触れることがない外科器具専用の消毒機器や、外科手術の基本である手術者用手洗いシステムをはじめ、インプラント手術機器、正確な診断や精密な治療に欠かせないマイクロスコープ(治療用顕微鏡)などを設置しています。
古賀歯科医院では、一本の抜歯であっても、簡単なグローブだけでの旧態依然とした抜歯処置ではなく、お口の術前消毒や滅菌覆い布(ドレープ)で患者さんのお顔と上半身をおおい歯科医師も滅菌外科ガウンを着て処置を行うなど口腔外科の基本を守った処置を行っています。
また、拡大ルーペをすべての治療に必ず使用しています。脳外科や心臓外科手術での手術用顕微鏡(マイクロスコープ)や拡大ルーペの使用は手術エリアを確実に見ながら正確な処置をするためになくてはならない機材です。歯科治療でも精度の高い処置のために同様の機材を利用します。使用上のトレーニングが必要ですが、とても大きく拡大して詳しい観察ができるマイクロスコープと術者の肉眼に近い利便性があるルーペ、共に確実な歯科治療に欠くことのできない機材です。但しこれらの機器はあくまで医療者をアシストするものであり、設備があればきちんとした治療がなされるわけではなく、あくまでも歯科治療の基本が確立され、その上にたゆまない努力があってこそ力が発揮されると私たちは考えています。
歯科治療で最も心配なことは“治療が痛いのではないか”という事ではないでしょうか。
そのためにご自分の歯に問題があることは分かっていても治療をためらってしまい、かえって大事になってしまう方もおられます。
体質的に麻酔が効きにくい方もおられますが注射前の表面麻酔だけではなく歯科麻酔学にもとづいた処置でほとんどの方に痛みを感じることのない歯科治療が可能です。歯科医師の常套句で麻酔前に”少しちくっとしますよ“と声掛けをします。患者さんはその一言でギュッと身を固くして痛みに備えておられます。古賀歯科医院では一切声掛けをしません。リラックスしたまま無痛麻酔をしますので全く注射をしたことがわからない患者さんもおられます。
また、もともと麻酔は効くまでに少しの時間が必要です。痛みの“閾値”と言いますが、一度痛みを感じてしまうと麻酔は効きにくくなりますので麻酔効果が表れるまで、どうしても少し時間を待たなければなりません。次の患者さんの時間が迫っていればこの時間が待てませんので麻酔が効いていないうちに治療がはじまり、その結果痛い治療を我慢させられる、という治療上のリスクさえ伴う悪循環が起きているようです。
また、治療中に乾燥したお口の粘膜を治療ミラーで引っ張られ、不愉快な想いをされた方は多いのではないでしょうか。ミラーをお口に入れる時は必ずお水につければ、乾燥した粘膜も全く引っ張らなくなります。
古賀歯科医院ではそのために治療中は必ず小さな水コップを治療テーブルに置いてあります。
このように、私たちは麻酔だけでなく、治療中もできる限り不快のないようにさまざまな工夫をしています。
古賀歯科医院では、場当たり的な治療ではなくその方の治療規模に応じて計画的な治療をお奨めしています。お口全体を点検しますと、患者さんご自身が気づいておられない問題を発見することも多く、そのためにも実際の治療の前に、綿密な検査の上での詳しい説明とご相談(コンサルテーション)をする必要があります。
初診当日は、面談の上、患者さんのお話をお聞きし、相談の上コンサルテーションを受けられるかを決めていただきます。その後お口全体の詳しい資料を採取します。その資料をもとに数日の検討期間を戴き、後日改めて説明とご相談(コンサルテーション)をいたします。このコンサルテーションではそれぞれの方の個別な資料を作成し、できる限りわかりやすく、公平公正にお話しするように努力しています。
コンサルテーションではその方のご希望をお聞きし、ご自身の現状とお困りの状況がなぜ起きてしまったのか、治療でできることと限界、治療方法と選択肢、おおよその治療期間と治療費用などについて説明をお聞きいただきながら詳しい徹底したお話合いをします。このコンサルテーションはすべて担当歯科医師がお話しします。
原則としてコンサルテーションの日には私どもで治療をお受けになるかどうかのお返事はお聞きしません。患者さんご自身で、またはご家族とも充分にご検討いただきたいと思っています。必要であれば他の歯科医院や大学病院でセカンドオピニオンをお聞きになる事もお勧めしています。コンサルテーション後、もし私どもでの治療がなされなくても、このご相談で得られた歯科の知識や説明資料、説明内容は必ずその方のお役に立つと信じています。
考え方や価値観の違い、相性の問題もあり、私どもで全ての方の問題を解決することはもちろん不可能です。重要なことはこの機会にぜひその患者さんにとっての歯科医師というベストパートナーを見つけていただきたいということです。実際の治療は当然ながら、治療内容のご理解とご納得をいただいてからとなります。